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第4回 佐多岬の自然が育むブランド豚 本土最南豚

本土最南豚

鹿児島県の佐多岬。それぞれにキャリアを積み、30代中盤を迎えていた3人の男性が、Iターン先のこの地で新たに選んだ仕事は養豚だった。飼育環境と肉質との相関を粘り強く追求して開発したブランド豚「本土最南豚」を、手間ひまを惜しまず育てている。ブランド豚としての付加価値とは、どのようにして構築されるものなのだろうか。

profile

鰺坂 憲司さん
農事組合法人岬養豚 代表理事(鹿児島県南大隅町)

中心メンバーは、異業種から畜産業にIターン転職した3人。後継者のいない養豚業者の事業を引き継ぎ、ブランド豚「本土最南豚」の開発を2005年頃よりスタート。

「農事組合法人岬養豚」加盟店情報
https://www.shinkuminet.com/shopguide/shopinfo_net1.html?id=1000485
鰺坂 憲司さん

地の利を生かした飼育方法で肉質を改良

地の利を生かした飼育方法で肉質を改良

「あの‥‥一応確認なんですが『本土最南豚』というブランド名は、やっぱり「本土最南端」にひっかけてるんですよね?」
インタビューはこんな質問から始まった。
「あ、そうですそうです」
「そういう認識でいいんですよね(笑)」
「はい、最南端で最南豚です(笑)」

「本土最南豚」の産地は、北緯31度に位置する鹿児島県の佐多岬。日本の本土最南端の地だ。岬養豚のイメージキャラクター「岬琢也(16歳、まぁまぁ反抗期)」が自虐コメント風にぼそりと発する「きれいな自然しかねぇよ‥‥」の言葉の通り、霧島錦江湾国立公園の一画をなすこの地の魅力はなんといっても壮大な自然だ。なかでも豚肉の品質を左右するのは「水」だという。
豚は呼吸器系が弱く、肺炎などの病気にかかりやすい。おなかもよくこわす。繊細でストレスにも弱い。だからおいしい豚であるためには、まず何より健康であることが大切だ。惜しげなく水を使って湿度や温度の管理ができることが、元気な豚を育てる上で最大のアドバンテージになっているのだという。
「水でそんなに肉質が変わるものですか?」
「まったく違います」
と言い切る。
岬養豚の豚たちが暮らす養豚施設は、大中尾台地という標高400メートルの高原を水源とする軟水に恵まれている。岬養豚ではその潤沢な水のおかげで、豚がかかりやすい病気の要因を大幅に軽減している。良質な水を贅沢に与えること、湿度をしっかり保ってきれいな空気を吸わせることが、ブランド豚としての品質には不可欠だという。

亜熱帯性植物が多く生育する豊かな自然環境に囲まれた養豚施設。錦江湾の向こうに開聞岳を望む。
亜熱帯性植物が多く生育する豊かな自然環境に囲まれた養豚施設。錦江湾の向こうに開聞岳を望む。
下ロース
下ロース
肩ロース
肩ロース
バラ肉
バラ肉
モモ肉
モモ肉

「どういう育て方をすれば、どういう肉になるのか」を探求

「どういう育て方をすれば、どういう肉になるのか」を探求

質量ともに日本一を誇る豚肉の一大産地である鹿児島県。佐多岬のある大隅半島の主要産業ももちろん養豚だ。しかし意外なことに、岬養豚が10年ほど前から取り組むようになる以前は、この地でブランド豚を手がける養豚業者はほぼゼロだったという。現代表の鰺坂憲司さんが、後継者のいない岬養豚の事業を引き継いでからスタートした。

その鰺坂さん、実はIT業界出身のIターン転職者だ。ほかのメンバーも異業種からの転職組だ。マーケティングや営業を担当する石塚さんは建設業から。さらに高級チョコレートメーカー出身の野村さんを仲間に引き込んだ。養豚との接点がまったくイメージできない、しかも地縁も無かった3人が岬養豚の現在の中心メンバーだ。養豚の世界に飛び込んだのは、純粋に「自分が食べておいしい豚肉」への興味からだったそうだ。そんな鰺坂さんたちだからこそのエピソードを聞いた。

まだ「本土最南豚」が開発途上にあったときのこと、自分たちがと畜場に出荷した豚がブロック肉になっているのを買ってきて試食してみたのだという。食べながら「こうするとこういう肉になるのか」と喧々諤々。飼育方法や飼育環境が肉質にどう影響するのか類推していったのだという。ストレス無く、豚が元気に過ごせる環境を具現化する上で、これが大いに役立った。「今やったら怒られると思うけど」と言いながら明かしてくれた。

そうやって反省点や改善点を飼育方法にフィードバックすることで、

[1]肉質がきれい
[2]おいしいこと
[3]脂肪が適度にのって甘いこと

という理想の豚肉を実現していったのが「本土最南豚」だ。畜産農家としては少々型破りだったかもしれないが、自分たちが出荷した豚を買い戻すという発想は、異業種から転職した彼らだからこそできたのかもしれない。

異業種からIターン転職して畜産農家に。
異業種からIターン転職して畜産農家に。
清潔好きの豚。適度な湿度も健康維持に不可欠。
清潔好きの豚。適度な湿度も健康維持に不可欠。

発育期の過ごし方、母豚の健康管理でもブランド価値に差

発育期の過ごし方、母豚の健康管理でもブランド価値に差

良質な水というアドバンテージに加え、岬養豚が採用している飼育方法で特徴的なのがバイオベッドだ。バイオベッドとはおがくずの発酵熱を利用した豚舎で、ここで発育期を過ごさせている。おなかの弱い豚にとってはぬくぬくの環境だが、世話をする人間にとってはかなりの暑さになるという。またこの時期、独自ブレンドの良質な餌だけでなく、さらに裏ワザとして黒ゴマを与えている。発育段階で与えることで丈夫な豚に育つという。一般的な養豚ではあまり手をかけない発育段階でのひと手間ふた手間が、ブランド豚に求められる付加価値につながっている。

そしてそんな手間ひまは、出荷する豚だけにかけているわけではない。実は母豚の健康管理からすでに品質追求は始まっているという。交配前の3ヶ月は母豚を放牧し、自然を満喫させ、運動もたっぷりさせる。「乳の出がよくなる」という胡麻ソムリエのアドバイスを参考に母豚にも黒ゴマを与えているという。

こうして手塩にかけて育てられた「本土最南豚」。現在、各地を飛び回って拡販に注力しているところだが「ソフトポーク」「桜島灰干し」といった加工品が百貨店のお中元・お歳暮ギフトとして人気上昇中だという。京都の高級精肉店「銀閣寺大西」の店舗・ウェブショップでは「佐多岬ポーク」としてA5和牛などと肩を並べている。関西地区ではスーパーマーケット「ライフ」でも扱いがスタートしている。目にしたら岬養豚が自負する肉の「甘み」をぜひ体験してみたい。

ちなみにスタッフの石塚さんにおすすめの食べ方を伺ったところ「炭火で焼いてこっちの地元の塩をかけて食べるのが一番」とのこと。

おがくずの発酵熱で床面は40〜?60℃。
おがくずの発酵熱で床面は40〜60℃。
いろいろな部位を味わえる焼肉セット。
いろいろな部位を味わえる焼肉セット。
ギフト好適品の「ソフトポーク」
ギフト好適品の「ソフトポーク」
百貨店バイヤーも高評価の「桜島灰干し」
百貨店バイヤーも高評価の「桜島灰干し」

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3名様

応募締切
2016年7月31日(日)

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