しんくみネット

しんくみネット特集 > 第17回 三河名物えびせんの東北進出に秘められた絆ストーリー

特集

特集一覧に戻る

第17回 三河名物えびせんの東北進出に秘められた絆ストーリー

三河名物えびせんの東北進出に秘められた絆ストーリー

2015年秋、宮城県塩竈市に誕生した「海鮮せんべい塩竈」。その運営母体は愛知県碧南市のえびせんメーカー、スギ製菓だ。「不思議なくらい類似点が多い」というふたつの町。その縁から東北に新たなビジネスシーンが生まれようとしている。地元を愛し地元に愛される企業が、被災地で踏み出した新たな一歩を追った。

profile

稲垣 雅之さん
スギ製菓株式会社(愛知県碧南市)
経営管理部 部長

大学卒業後、スギ製菓に入社。「えびせん家族」本店、直販本部を経て2007年より経営管理部に所属。本年4月より現職。1978年、愛知県西尾市生まれ。豊橋創造大学卒。

「スギ製菓株式会社」加盟店情報
https://www.shinkuminet.com/shopguide/shopinfo_net1.html?id=1010698
稲垣 雅之さん

トレーまで食べられるアイデア商品「たべりん」

トレーまで食べられるアイデア商品「たべりん」

今年5月、スギ製菓にうれしいニュースがもたらされた。東海エリアで40年ぶりの開催となった全国菓子大博覧会「お伊勢さん菓子博2017」で、同社の「たべりん」が名誉総裁賞に輝いたのだ。今回の表彰は来場者の人気投票の結果ということもあり喜びもひとしおだ。「たべりん」の魅力を経営管理部の稲垣雅之部長に伺った。

「一番の特徴はトレーが食べられるところです。トレーは最中の技術を応用したえびせんでできています。えびせんだけでなく、最中も実は愛知県の名産品。地場の魅力が詰まった商品になっています。三河弁で『食べてね』という意味の『たべりん』というネーミングにも地元色が感じられると思います」

えびせんが誕生したのは明治時代中期。食用としての需要が無かった三河湾産のアカシャ海老を利用するお菓子として考案され、以来おやつやおつまみの定番として日本中で親しまれている。愛知県の生産量シェアは実に9割超。不動のナンバー1である。そんな競合ひしめく三河地方にあって、この「食べられるトレー」はスギ製菓独自のアイデア。地元では知らない人のいないロングセラー商品だ。

改めて同社の製品を見てみると、一般的なえびせんのイメージとはちょっと違うえびせんが「たべりん」以外にもたくさんある。

「弊社では今100種類ぐらいのえびせんを製造しています。必ずしも海老が入っているのが『えびせん』なのではなくて、ジャガイモ澱粉の生地に海産物を混ぜて焼いた海鮮せんべいと考えると、アイデア次第で無限にバリエーションが生まれます。変わったところではチョコが浸み込んだスイーツ系のえびせんもあります」

「サクッとえびチョコ」は、えびせんの魅力を子どもや若年層に知ってもらい、次世代のえびせんファンを育てようという企画背景を持っているという。

「スギ製菓のえびせんを買うとしたらやはり地元なのでしょうか?」
「例えば『たべりん』はお土産やギフトとして利用されるローカルなお菓子なのですが、地元の方は弊社直営店の『えびせん家族』『えびせんべい共和国』でご購入いただいていると思います。首都圏などでは見かけないかもしれませんが、ネット通販(*)もありますのでご利用いただけるとうれしいです」

*えびせん家族ネット通販 http://www.ebisen.com/
(注)「たべりん」のネット通販は2017年お中元期間限定でご利用いただけます。

地元では定番のお土産。人気のえびせん8種+トレーが楽しめる。
地元では定番のお土産。人気のえびせん8種+トレーが楽しめる。
「お伊勢さん菓子博2017」公式キャラクターの「いせわんこ」と杉浦敏夫社長。
「お伊勢さん菓子博2017」公式キャラクターの「いせわんこ」と杉浦敏夫社長。
サクッとえびチョコ
サクッとえびチョコ
サクッとえびチョコの製造風景。
サクッとえびチョコの製造風景。
「えびせんのバリエーションは無限」と稲垣部長。
「えびせんのバリエーションは無限」と稲垣部長。
直営店「えびせん家族」本店
直営店「えびせん家族」本店

被災地に新ビジネスを!2015年、「海鮮せんべい塩竈」をオープン

被災地に新ビジネスを!2015年、「海鮮せんべい塩竈」をオープン

「えびせん家族」「えびせんべい共和国」といった直営店を持ち、自社製品の販路を確保しているのもスギ製菓ならではのビジネスモデルだ。これまで地元に9店舗を展開してきたが、同社が運営母体となる「海鮮せんべい塩竈」を2015年10月、宮城県塩竈市に新たにオープンした。

「いわゆる製販一体というビジネスモデルですが、どんなメリットがあるのでしょうか?」
「これは良質の海鮮せんべいをリーズナブルな価格で消費者に届けたいと考えた結果なんです。もともと弊社は製造・卸だったのですが、だったら直売だろうと」

「『海鮮せんべい塩竈』も工場に併設した直売店ですが、東北を選んだのにはどういう経緯が?」

「以前から南海トラフ巨大地震への対策として、インフラを集中させないようにしようという話はあったのですが、東日本大震災が起きて、工場が被災したときの生産ラインの確保が非常に現実的な課題になりました。そこから計画が具体的に動き始めました」
「災害発生時のバックアップ機能を想定した工場ということですね。でもそういう工場を被災地に立地させるというのはちょっと意外です」
「塩竈市と碧南市は地理的にとてもよく似ていて、震災の翌年、災害時相互応援協定を締結しました。自治体同士で応援体制を取ろうということで、碧南市から職員派遣や支援物資を送ったりという関係にあったことから縁がつながりました。ふたつの半島に囲まれた湾に面していて海産物に恵まれていることや、人口規模など、不思議なくらい類似点が多いんです」

「海鮮せんべい塩竈」では、たこ・いか・ほたて・まぐろ・牡蠣・わかめ・うになど地元色あふれる海鮮せんべいをラインナップ。併設の工場も含め、人材も現地採用している。新しいローカルビジネスとして塩竈市に根付かせたいという。

スギ製菓の人気商品「いか焼き」。「海鮮せんべい塩竈」でも出来たてを味わえる。
スギ製菓の人気商品「いか焼き」。「海鮮せんべい塩竈」でも出来たてを味わえる。
三陸産の海の幸を練り込んだ、地元色あふれる海鮮せんべい。
三陸産の海の幸を練り込んだ、地元色あふれる海鮮せんべい。
一番人気の「三陸たこせんべい」。塩竈産の藻塩で味付け。
一番人気の「三陸たこせんべい」。塩竈産の藻塩で味付け。
仙台駅、仙台空港でも販売。オレンジ色のパッケージが目を引く。
仙台駅、仙台空港でも販売。オレンジ色のパッケージが目を引く。

体験研修は企画力を育む土壌

体験研修は企画力を育む土壌

「海鮮せんべい塩竈」の一番人気は「三陸たこせんべい」だ。三陸沖で獲れたたこと塩竈産の藻塩を使った海鮮せんべいで、新たな仙台土産として地元の期待が高まっている。「たべりん」がそうであるように、地元に愛されるロングセラー商品がこの地でも求められているのだ。稲垣部長は、そうしたポテンシャルの高い商品を企画する秘訣は同社の人材育成にあると話す。

スギ製菓には「50kmウォーク」という研修がある。全員参加の新入社員のほか、先輩社員や取引先も自主参加して50kmを踏破するという名物イベントになっている。16回目を数える今年は雨の中での決行となった。

「50kmは相当きつそうですね」
「コースは毎年変化をつけていて、その年その年の苦労があります。歩くのはもちろんきついのですが、運営側としてさまざまな経験をすることの意味も大きい。実行委員会が何ヶ月も前から組まれ、半年以上かけて準備を進めます」

一参加者だった新人が、次の年、あるいは後年、実行委員として運営に携わり、自分が感じた達成感を次の世代と共有するという趣向だ。マンネリにならないためにはユニークなアイデアも求められるが、それを実現するには調整能力や実務能力も必要とされる。その過程で人間性が自然と磨かれていく。チームでプロジェクトを運営することが、人として成長するチャンスになるという。

このように社員自ら社内行事を企画運営する「体験研修」がスギ製菓流の人材育成なのだが、そうした企業風土を支える価値基準は「楽しいかどうか」だという。例えば、ゴミ拾いからスタートする入社式。入社初日にゴミ拾いと聞くと怯んでしまうかもしれないが、実はこれがなかなか粋な計らいなのだ。 まだ心打ち解け切らない新入社員がトングを持ってゴミを拾い歩き、最後に自分たちのおかげでちょっとスッキリした街を振り返る。そこにはおのずと同期の連帯感が生まれている。記憶の奥底に刻まれたその経験は、人生の要所要所で思い出されることになるのだ。

5月に開催された50kmウォーク。えびせん家族本店前を通過中。
5月に開催された50kmウォーク。えびせん家族本店前を通過中。
50kmを歩き切り、晴れ晴れとした表情でゴール。
50kmを歩き切り、晴れ晴れとした表情でゴール。
今年の実行委員長は6年目社員。雨の中で奔走中。
今年の実行委員長は6年目社員。雨の中で奔走中。
ゴミ拾いで緊張がほぐれ、なごやかなムードに包まれる入社式。
ゴミ拾いで緊張がほぐれ、なごやかなムードに包まれる入社式。
社員の家族も参加して盛り上がるボウリング大会。
社員の家族も参加して盛り上がるボウリング大会。
新年会。「ちゃんと楽しいイベントもあります(笑)」と稲垣部長。
新年会。「ちゃんと楽しいイベントもあります(笑)」と稲垣部長。
企画・管理部門スタッフ
企画・管理部門スタッフ
製造部門スタッフ
製造部門スタッフ

プレミアム会員限定PRESENT

たべりん16袋(箱入)
10名様

応募締切
2017年8月31日(木)

賞品

profile

えびせん・海鮮せんべいの製造販売
スギ製菓株式会社(愛知県碧南市)

加盟店情報を見る
スギ製菓株式会社

加盟店情報をもっと見る

ページTOPへ