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第19回 老舗が起死回生!糸魚川名産「かまぼこメンチ」

老舗が起死回生!糸魚川名産「かまぼこメンチ」

「やめるか、続けるか」。追い詰められた先代の口から、学生だった7代目が聞かされたのはそんな言葉。家業を継ぐなんてイメージする以前の状態だった。しかし数年後の彼女こそ、糸魚川のかまぼこの歴史に新風を吹き込んだその人だった。

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松本 利恵さん
有限会社一印かまぼこ屋 取締役(新潟県糸魚川市)

糸魚川市のご当地グルメ「かまぼこメンチ」の生みの親。祖母から受け継いだ伝統製法を守る一方、新感覚の商品開発を得意とし、ケータリング車での移動販売やグルメイベントへの出店を積極展開。嘉永3年創業の老舗ながら経営不振に喘いでいた生家の「一印かまぼこ屋」を立て直す。

「一印かまぼこ屋」加盟店情報
https://www.shinkuminet.com/shopguide/shopinfo_net1.html?id=1010392
松本 利恵さん

イベントには参加できる限り参加する

イベントには参加できる限り参加する

夏休み最後の週末となった8月26・27日、一印かまぼこ屋7代目、松本利恵さんの姿が新潟県上越市の「戦国ご当地グルメ大合戦」の会場にあった。初出場した昨年、「天下統一」すなわち第1位に輝いた同イベントに再び参戦していた。昨年の覇者に注目はおのずと集まるとはいえ、並み居る出店者も歴戦の勇者の趣あるご当地グルメばかり。松本さんをはじめスタッフは、目移りする来場者の視線を捉えては「かまぼこメンチ」を勧める。

「イベントにはほぼ毎週のように参加しています。東京にも月1ぐらいのペースで行ってます。『かまぼこメンチ』は通常は週に1500枚、夏休みのようなお土産シーズンだったり、そこにまたイベント準備が重なったりするとマックス2000枚作ります。これがスタッフ4人でできる限界かなぁ」

そう話す松本さんの声は、まるで忙しさを楽しんでいるかのよう。

「参加できるイベントにはすべて参加したいと思っているので、大変なスケジュールになっちゃってます」

イベントに参加し続ける理由について、松本さんは「若い世代やその子どもが興味を持ってくれるようになった」と話す。

「嬉しいのは、たくさんの人に一印かまぼこ屋を知ってもらえるようになったことで、『くし形かまぼこ』のような糸魚川の昔ながらのかまぼこも見直されるようになったことなんです。こちらは多い時で1日に1600個作ることもありますね」

かまぼこメンチ(プレーン)
かまぼこメンチ(プレーン)
かまぼこメンチ(ブラック)
かまぼこメンチ(ブラック)
28のご当地グルメが参加した「戦国ご当地グルメ大合戦」
28のご当地グルメが参加した「戦国ご当地グルメ大合戦」
連覇を祝福するイベントスタッフに囲まれる松本さん
連覇を祝福するイベントスタッフに囲まれる松本さん
移動販売用に導入しているケータリング車
移動販売用に導入しているケータリング車
こちらは家庭で調理できる冷凍品
こちらは家庭で調理できる冷凍品

父が病に倒れ、やってきた転機

父が病に倒れ、やってきた転機

糸魚川名産の「くし形かまぼこ」は、幅15センチ×長さ180センチの板に魚のすり身を載せて作る特大サイズの板かまぼこから厚さ1.5センチの切り身を切り出し、それを焼いて完成させる。焼くという点では笹かまにも似ているが、「つげ櫛」の形をした独特のスタイルの焼きかまぼこだ。

「うちのかまぼこは、石臼で作ったすり身を使っています。機械だと摩擦熱で変質してしまいますが、石臼だと魚の繊維も壊れないので魚本来の旨みがちゃんと残るんです。それを板に乗せて一晩寝かせたものを切っていきます。そして普通だと蒸して加熱するかまぼこが多いのですが、『くし形かまぼこ』は焼いて焦げ目をつけて仕上げます」

かつて糸魚川にはこうしたかまぼこを作る四十物師(あいものし)が47軒あったが、今も暖簾を守るのは一印かまぼこ屋1軒のみになってしまった。子どもの頃からよく工場で手伝いをしていた松本さんは、祖母からこの伝統製法を直々に伝授してもらった。

しかし糸魚川のかまぼこが衰退する中で、一印かまぼこ店(後に「一印かまぼこ屋」に改名)もまた経営不振に喘ぐ時期が長く続いたという。あるとき父が家族を集めて「やめるか、続けるか」と切り出したことがあった。学生だった松本さんは、胸を締め付けられる思いで父の言葉を聞いた。
最大のピンチが訪れたのはその数年後。父が病に倒れたときのことだった。経営者肌の両親は祖母に工場を任せていたのだが、その祖母も高齢のために現場を取り仕切るのが難しくなってきていた。事業の要だった二人が欠けてしまったのだ。

「病気で動けない父から『なんでもいいから新商品を考えてくれ』って言われたんだけど、なんでもいいって言われてもねぇ(笑)」

しかし、祖母の技術を受け継いでいる人は長女の利恵さんをおいてほかにいない。結局、高校卒業後に就職した地元企業を辞め、家業を継ぐことになった。

くし形かまぼこの盛り付け例
くし形かまぼこの盛り付け例
時間も手間もかかる祖母から教わった昔ながらの製法
時間も手間もかかる祖母から教わった昔ながらの製法
一晩寝かせたすり身を手作業でカット
一晩寝かせたすり身を手作業でカット
焼き機で焼いていく最終工程
焼き機で焼いていく最終工程
地元色あふれる糸魚川ならではのかまぼこ
地元色あふれる糸魚川ならではのかまぼこ
「スタッフは女性4名。息の合った仕事ができます」と松本さん
「スタッフは女性4名。息の合った仕事ができます」と松本さん

自分が食べたくて作ってみたら

自分が食べたくて作ってみたら

「私、お肉が好きなんだけど食べた後から胸焼けするっていうか、食べたいのに苦手なの。苦手なんだけどハンバーグとかやっぱり食べたいわけですよ。それでかまぼこと挽き肉を合挽きにしてみたらどうかなって、あのとき試しに作ったのが『かまぼこメンチ』の始まり。実は自分が食べたくて作ったんです(笑)」

以来、地元メディアに始まり、様々なイベントやメディアに糸魚川のご当地グルメとして登場してきた。学校給食にも採用されている。

「『かまぼこメンチ』には2種類あるんですね。プレーンと、それとブラック?っていうんですか?」
「そうそう(笑)ブラックはね、イカスミが練りこんであって大人に人気なの。私もブラックが好き」

それはぜひとも取り寄せてみたい。そう思ってオンラインショップに行ってみたのだが、そこには「SOLD OUT」の文字が並んでいた。もしや人気あり過ぎ?

「すみません!対応が追いついていないんです。商品はあります。工場と店の通常営業とイベントで精一杯でそこまで手が回ってなくて。電話してください!」
「もしかしたら人手を増やしてもいいかもしれませんね」
「もう何年も前からそのタイミングが来てるなってずっと思ってるんですけど、あの厳しかった時期のことが忘れられなくて。でもそうですね、考えてはいます」

生産力を上回る人気にどう応えていくか。これからの課題と言えそうだが、とにもかくにもまだまだ伸びしろのありそうな「かまぼこメンチ」。そう言えば今年の「戦国ご当地グルメ大合戦」の結果も上々だった。なんとまさかの2年連続の「天下統一」。食べてみたい方はぜひ電話で注文を。

くし形かまぼこ(プレーン)
くし形かまぼこ(プレーン)
くし形かまぼこ(青のり)
くし形かまぼこ(青のり)
くし形かまぼこ(黒ごま)
くし形かまぼこ(黒ごま)
くし形かまぼこ(明太子)
くし形かまぼこ(明太子)
オリジナルメッセージかまぼこ(ハート型)
オリジナルメッセージかまぼこ(ハート型)
オリジナルメッセージかまぼこ(丸型・定形メッセージ)
オリジナルメッセージかまぼこ(丸型・定形メッセージ)
さつま揚げ(3個入り)
さつま揚げ(3個入り)
親不知もずく入さつま揚げ
親不知もずく入さつま揚げ
めぎすたっぷり糸魚川さつま揚げ
めぎすたっぷり糸魚川さつま揚げ
めぎすつみれだんご
めぎすつみれだんご
天日塩・でんぷんのみ使った化学調味料不使のめぎす生地。骨ごとミンチにし、石臼でなめらかに練り上げる。
天日塩・でんぷんのみ使った化学調味料不使用のめぎす生地。骨ごとミンチにし、石臼でなめらかに練り上げる。
豊かな漁獲量があった頃の糸魚川のかまぼこに思いを馳せて作っためぎすつみれだんご。糸魚川産めぎす100%。
豊かな漁獲量があった頃の糸魚川のかまぼこに思いを馳せて作っためぎすつみれだんご。糸魚川産めぎす100%。

プレミアム会員限定PRESENT

かまぼこメンチ詰め合わせ
12名様

応募締切
2017年10月31日(火)

賞品

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くし形かまぼこ、かまぼこメンチ等の製造販売
有限会社一印かまぼこ屋(新潟県糸魚川市)

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とんりゅうラーメン

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