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第20回 砺波平野・孤高の民芸窯「三助焼」

砺波平野・孤高の民芸窯「三助焼」

庄川の流れが作る肥沃な扇状地に広がる砺波平野。ぽつんぽつんと散らばって約7000軒の民家が建つ国内最大級の散居村は、「日本の里100選」のひとつにも選ばれている。三助焼は、かつてこの地で盛んだった瓦製造をルーツとする窯元。かのバーナード・リーチも訪れ、気取りのない土着的な美しさを讃えた。

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谷口 均さん
越中三助焼窯元 代表(富山県砺波市)

かつて砺波の地場産業だった瓦製造をルーツとする越中三助焼窯元の5代目当主。バーナード・リーチ、柳宗悦、濱田庄司といった民芸運動の中心人物から高く評価された民芸窯。地元の土と草木から生まれる深い緑色が特徴。

「越中三助焼窯元」加盟店情報
https://www.shinkuminet.com/shopguide/shopinfo_area.html?id=1007112
谷口 均さん

地元の土、地元の草木から生まれる深い色

地元の土、地元の草木から生まれる深い色

三助焼の特徴はなんといっても深みのある緑色。日本の焼き物に魅了されたイギリスの陶芸家バーナード・リーチも、この吸い込まれそうな深い緑色に見惚れたという。代表を務める5代目当主、谷口均さんは「土との相性もあるので、同じ釉薬を使っても焼き上がりの色は違ってくるんですよ」と話す。

「この土地の土で焼く三助焼ならではの色で、よそでこういう緑色は出ないようです。釉薬の色作りには地元の草木を使っています。金属でしか出ない色もあるのですが、釉薬の8割ぐらいはそうした自前の自然のもの。土は100%地元のものです」

三助焼が窯を構える福山丘陵一帯は良質の陶土が産出され、古くから瓦の製造の盛んな土地柄だった。150年ほど前に初代谷口三助が開いた窯も瓦製造の窯だった。その窯で壺、鉢、皿などの生活用具を作り始めたのが2代目。今では周囲にたくさんあった瓦の窯元は途絶えてしまい、窯元として残っているのは三助焼だけだという。均さんの父で4代目の三明さん、後継者として活躍する娘の由佳さんとともに親子三代でこの窯を守っている。

作っているのは湯呑みや茶碗など日常的に使ってもらえるアイテムが中心。とはいえ歴史ある窯元と聞くと気になるのはやはり値段だ。

「ウェブサイトを見たのですが、価格が見つからなくてドキドキするんですが(笑)」
「あっそうなんだよなぁ、入れなきゃって思ってて…。茶碗類は1,000円〜3,000円、マグカップで2,000〜3,000円。急須でも10,000円以内ですよ」

飯茶碗
飯茶碗
茶碗
茶碗
マグカップ
マグカップ
マグカップ
マグカップ
マグカップ
マグカップ
ビアマグ
ビアマグ
鉢
銘々皿
銘々皿

バーナード・リーチ、柳宗悦、濱田庄司が足跡を残す窯

バーナード・リーチ、柳宗悦、濱田庄司が足跡を残す窯

「バーナード・リーチが訪ねてきたというのはいつ頃のことですか?」
「戦後のことですね。当時、柳宗悦や濱田庄司も来ていて、父は会ったのを覚えているそうです。戦争中は富山に疎開中だった棟方志功も出入りしていたと聞いています」

民芸運動の提唱者である柳宗悦、運動を牽引した陶芸家であるリーチと濱田。「用の美」を説いた彼らは、ぽってりと温かみのある三助焼の作風をいたく気に入ったという。なかでもリーチは「日本の美がこもっている」と称賛した。

時代は下り2012年、インテリア雑誌『ELLE DECOR』英国版が三助焼を取り上げた。プロダクトデザイナー矢野宏治氏と均さんとのコラボ作品「急須、湯呑みペアセット」が掲載されたのだ。持ち手のないシンプルなデザインの急須は、三助焼に代々伝わるスタイルを踏襲したもの。リーチの出身国イギリスで「timeless and elegant」と評されたことには、何か不思議な因縁を感じずにはいられない。

「売れ筋や人気のアイテムってありますか?」
「そうですねぇ、ビアカップかな。きめ細かいクリーミーな泡立ちになるんです。あとちょっと変わったのでは、最近は珍しくなった鴨徳利。火鉢の灰のなかに埋めて燗をつけるんです。『ホロ酔い酒房』(*)という漫画の中でその使い方がうちの商品を使って紹介されています」

*実業之日本社『ホロ酔い酒房 旬の肴レシピ編』第33話(野上ヒロノブ 原案・長尾朋寿 画)

急須、湯呑みペアセット
急須、湯呑みペアセット
クリームのような泡になるビアカップ
クリームのような泡になるビアカップ
鴨徳利
鴨徳利
干支置物
干支置物

時代の空気を、自由な視点でとらえる民芸窯

時代の空気を、自由な視点でとらえる民芸窯

窯元にほど近い温泉街でも三助焼の人気は高い。「地産地消」をコンセプトにした料理を地元の焼き物で供する。ご飯茶碗をはじめとする食器が、そんなシーンで活躍している。

「『普段使いにちょっといい器を』というときの選択肢だと思うんです。芸術作品を作っているわけではない。民芸窯ですから」

伝統的なスタイルや技術は受け継ぐけれど、そこに縛られ過ぎない柔軟な発想で時代に合うものを作っていく。それこそ三助焼らしいスタンスだと均さんは自認する。そういう意味でこれからのキーマンとして注目されているのが6代目の由佳さんだ。窯元に生まれた由佳さんだが、意外なことに23歳まで陶芸は未経験。それまでは歯科衛生士だったが、結婚を機に「後継者がいないなら」と作陶を始めたという。

「親子でも作風は違うものですか?」
「それは自然とそうなりますよね。高台の無い茶碗とか、今のライフスタイルに合ったものにも挑戦していますよ。やはり女性ということもありますし、色の使い方にも彼女ならではのものがあります」

伝統にとらわれない感覚から生まれる作品は、父である均さんの目にも新鮮に映るという。今は窯元としての新陳代謝を三者三様に楽しんでいるといったところだろうか。

陶土は福山丘陵で採れる地元産100%
陶土は福山丘陵で採れる地元産100%
土作りの作業をする4代目三明さん
土作りの作業をする4代目三明さん
工房で作業中の均さん
工房で作業中の均さん
代々受け継がれる職人の手仕事
代々受け継がれる職人の手仕事
6代目由佳さんは窯元初の女性作家
6代目由佳さんは窯元初の女性作家
越中三助焼窯元外観
越中三助焼窯元外観

プレミアム会員限定PRESENT

クリームのような泡になるビアカップ
2個セット
5名様

応募締切
2017年11月30日(木)

賞品

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三助焼作成・販売
越中三助焼窯元(富山県砺波市)

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