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第22回 揚げて焼いて40年、東京下町ドーナツ・高橋商店

揚げて焼いて40年、東京下町ドーナツ・高橋商店

揚げドーナツ、チュロス、サーターアンダギー、焼きドーナツ。所狭しと並ぶ商品は、まるでドーナツの歴史年表のよう。そんな売り場の奥にはスタッフ3人でジャストサイズの工場。一見すると下町のドーナツ屋さんだが、実はOEMまで手広く手がけるこの道40年の業務用卸業者。親子2代で作るドーナツが人気の高橋商店を訪ねた。

profile

高橋 守さん
高橋商店 店主(東京都大田区)

1970年代、将来性が不透明なことを先見し、珍味の卸商だった高橋商店でドーナツの製造・卸をスタート。食品問屋のサラリーマン時代に培った小麦粉の知識を活かしてラインナップを広げ、業務用卸を全国的に展開。10年前からは工場の一部を改装した店舗で工場直売をスタート。「東京下町ドーナツ」として地元で愛されている。

高橋 守さん

「家族経営」「工場直売」だからできる下町価格

「家族経営」「工場直売」だからできる下町価格

懐かしさを覚えるアーケード街が駅前から伸びる京急雑色駅。総菜屋の角を右に折れて3分ほど歩けば高橋商店に到着する。目印は「ドーナツ」と書かれたオレンジ色ののぼり旗。自動ドア越しに店内を覗き込むと、粉砂糖をかぶったドーナツが陳列ケースにおいしそうに並んでいる。驚くのはその価格。「1個 35円」の値札が貼られている。いきなり失礼とは思いながらも、口をついて出たのはこんな質問。

「安すぎないですか!しかも3個買うと100円って、そりゃ3個買いますよ」
「ふふふ。安すぎるよね」
「大丈夫ですか?利益出てるんですか」
「うーん儲からないよねぇ(笑)」

笑顔を絶やさない店主の高橋守さんは、気の優しい下町のおじちゃんといった雰囲気。

「もともと製造・卸だったんだけど、10年ぐらい前に工場の一角を店にして店頭販売も始めたの。この揚げドーナツは店でしか売っていません。卸すとそれこそ赤字になっちゃう」

従業員は、妻のとし子さんと娘の栄子さん。ギリギリの価格設定だが、家族3人で切り盛りすればなんとか維持できるという。子どもや学生のお財布にうれしい値段だが、「大人のファンも多いんですよ」と高橋さん。

揚げドーナツ プレーン
揚げドーナツ プレーン
揚げドーナツ チョコ
揚げドーナツ チョコ
揚げドーナツ シナモン
揚げドーナツ シナモン
焼きドーナツ プレーン
焼きドーナツ プレーン
焼きドーナツ チョコ
焼きドーナツ チョコ
焼きドーナツ かぼちゃ
焼きドーナツ かぼちゃ
焼きドーナツ ブルーベリー
焼きドーナツ ブルーベリー
クッキー  チョコチップ
クッキー チョコチップ

出張販売&イベントで、新しい挑戦のチャンスをつかむ

出張販売&イベントで、新しい挑戦のチャンスをつかむ

揚げドーナツはプレーン・チョコ・シナモンの3種類。プレーンとチョコは粉砂糖の有り・無しが選べる。これでたったの35円。数年前、そんな高橋商店のドーナツが地元の大型商業施設のバイヤーの目にとまった。以来、グランデュオ蒲田とイトーヨカードー大森店でそれぞれ年2回程度のペースで出張販売をしている。

「ちょうど先週、グランデュオ蒲田に出店していたんですよ」

主力はやはり揚げドーナツ。6日間で約800個を売り上げる。出張販売では諸経費を乗せた単価になるが、それでも多い日で200個近く出る。売れ行きを見ながら工場に連絡を入れて追加で揚げていくのでロスが無い。しかし1日に3回追加で揚げるとなると工場は超がつくフル稼働状態。そんな繁忙期も従業員は家族3人。とし子さんは「正直、体力的にきつくなってきている」と本音をもらすが、出張販売やイベント出店には売り上げとは違う次元の意義があると高橋さんは考える。

「あるイベントでブルーベリー農場がうちに興味を持ってくれて、今そこのオリジナルブランド向けにドーナツやクッキーを卸しているんです」

新しい挑戦につながっていくかどうか。店舗外での活動の醍醐味はそこにあるようだ。

「さっと油通しする程度」という揚げパン
「さっと油通しする程度」という揚げパン
30年ほど前から販売しているサーターアンダギー
30年ほど前から販売しているサーターアンダギー
でき立ての揚げドーナツ
でき立ての揚げドーナツ
種類豊富な焼きドーナツ
種類豊富な焼きドーナツ
硬めで小粒の「カリンドー」は高橋商店オリジナル
硬めで小粒の「カリンドー」は高橋商店オリジナル
店舗外観
店舗外観

実はサーターアンダギーで一人勝ちした勝負師

実はサーターアンダギーで一人勝ちした勝負師

もともと珍味の卸商だった高橋商店がドーナツの製造・卸を始めたのは約40年前。魚屋や菓子店といった個人商店が減り、取引先が先細っていく時代だった。

「食品問屋に勤めていた頃に小麦粉を担当していて知識があったから、『小麦粉を使った何か新しいことを』と始めたのがドーナツ」

10年ほど経った頃、沖縄以外ではまだほとんど知名度の無かったサーターアンダギーの取り扱いをスタートした。2001年、そのサーターアンダギーがNHKの連続テレビ小説「ちゅらさん」に登場するや注文が飛ぶように入ってきた。一人勝ち状態だった。

「ドーナツは機械を導入してある程度は自動化できるんだけど、サーターアンダギーは完全手作り。自動化できないから競合が少ないんです」

始終にこやかに話す高橋さんの笑顔がだんだんと不敵に見えてくる。

「最近は焼きドーナツをやってます。数年前からブームでしょ、焼きドーナツ。うちはとにかく種類が多いんです」

見ると陳列棚の端から端まで焼きドーナツがズラリ。揚げドーナツは店舗限定だが、こちらの焼きドーナツは業務用卸がメイン。

「販売中のものだけでも40種類。これまで作ったのは全部で80種類ぐらいになるかな」

高橋さんは、新しいテーマに出会うと好奇心と研究心をたぎらせる根っからの職人肌。指定の食材などがあればOEMにも対応している。とし子さんは「休みなんて無いのよ。たまには旅行にも行きたいのに」と呆れ顔だ。しかし結婚50年にして夫婦そろってこんなにお元気なのは羨ましい限り。何より夫婦のやりとりが微笑ましいお二人だった。

高橋さん「真新しい油だけで揚げてもきれいなきつね色にならないんです」
高橋さん「真新しい油だけで揚げてもきれいなきつね色にならないんです」
常温だと白い固形の植物性揚げ油
常温だと白い固形の植物性揚げ油
毎日きれいに漉して使うフライヤー内の油
毎日きれいに漉して使うフライヤー内の油
随時新しい油を足して一定の質が保たれているフライヤー内の油
随時新しい油を足して一定の質が保たれているフライヤー内の油

プレミアム会員限定PRESENT

焼きドーナツ10個
10名様

応募締切
2018年1月31日(水)

賞品

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ドーナツ製造・販売、業務用卸
高橋商店(東京都大田区)

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