しんくみネット

しんくみネット特集 > 第28回 暑い町・熊谷の熱いフルーツ卸商

特集

特集一覧に戻る

第28回 暑い町・熊谷の熱いフルーツ卸商

暑い町・熊谷の熱いフルーツ卸商

夏の暑さで有名な埼玉県熊谷市。この町に、日本各地からおいしいフルーツが集まってくる会社がある。「扱っているのは野菜6割、果物4割。だけど野菜は料理の具材だから味付けでどうにでもなる。果物は味を付けるわけにいかない。そのものの味でしょ。少しお金出しておいしいのを食べた方が絶対得だよ」。そう語るのは代表の門倉正浩さん。夏を迎えた熊谷には、甘い香りが漂っていた。

profile

門倉正浩さん
有限会社エム・ケーフルーツ 代表(埼玉県熊谷市)

高校卒業後に入職したJAで農産物直売所の店長に就任。「おいしい果物を知ってほしい」という思いから、野菜・果物の卸売業者として32歳で独立。リーズナブルな価格でブランド品にも負けない果物を、埼玉県北部エリアの農産物直売所に提供。自社サイトで小売(通販)もしている。

「有限会社エム・ケーフルーツ」加盟店情報
https://www.shinkuminet.com/shopguide/shopinfo_net1.html?id=1011063
門倉正浩さん

農産物直売所の店長時代、客が漏らしたひと言で小売の面白さに開眼

農産物直売所の店長時代、客が漏らしたひと言で小売の面白さに開眼

JA職員だった門倉正浩さんが、自分の会社を立ち上げたのは32歳のとき。JA傘下の農産物直売所で6年間、店長を経験したことが起業へとつながった。

「それまで担当してきたのはガス、米・麦、野菜、金融。だから店長といっても最初はなんにも分からない。仕入れも『安けりゃいいだろ』で決めていました」

だがある日、「量はいらないから、良いものを置いてくれ」と客が品揃えに対して不満をこぼしてきた。

「『自分の財布で考えないでよ』って言われたんです」

値段で買う買わないを決める客ばかりじゃない。そこに気付いた門倉さんは自分なりに仕入れや売り方を研究し、小売の面白さにはまっていった。ノウハウが分かってくると、自分の目利きで仕入れた農産物が並ぶ売場を思い描くようになった。仕入れる立場ではなく、納品する立場で売場づくりができないか。ブランド品にも負けない農産物が溢れる直売所。頭の中にはいつしかそんなイメージが広がっていた。しかし周囲の反応は、「そんなにうまくいかないよ」と冷たいものだったという。

「母は専業主婦だったけど商売っ気のある人。公務員だった父からは反対されたけど、母は応援してくれました」

上の子が2歳、二人目が生まれ、二児の父となったばかりだった。

せとか(愛媛県産)
せとか(愛媛県産)
サンふじ(長野県産)
サンふじ(長野県産)
佐藤錦(山形県産)
佐藤錦(山形県産)
限界完熟桃(山梨県産)
限界完熟桃(山梨県産)

財布のひもを少しゆるめておいしいものを食べたほうが得

財布のひもを少しゆるめておいしいものを食べたほうが得

高校ではラグビー部だったというがっちりとした体格の門倉さんが、おもむろに「どうぞ」と勧めてくれたのは、艶やかな大粒のさくらんぼだった。

「わっ、いいんですか、ありがとうございます。頂きます!」

瑞々しい甘みがジュワッと口のなかに広がり、果肉のたっぷり感に圧倒される。佐藤錦だという。

「例えばさくらんぼだったらスーパーで1パック398円というところでしょうが、ちょっと財布のひもをゆるめて、あともう少し出したらおいしいさくらんぼが食べられますよ。1シーズンに20パックも30パックも食べるわけじゃないんだから、2回分を一度で出したって、家族で『おいしいね』って言って食べたほうが得でしょって思うんですよ」
「なるほど‥‥分かります。でもその100円、200円がなかなか出せない気持ちも分かってしまいます」
「だから、そういうお客さんに教えてあげたい。サンキュッパはやっぱりサンキュッパの味です。かじったらすぐ種です」
「こうして食べさせていただくと納得です」
「だから、今でも直売所でお客さんに直で勧めるんです。2日でりんご150ケース売ったこともありますよ。俺、試食のりんご、直売所で延々むき続けましたもん」

店長を6年経験し、小売を知り尽くしてから出入り業者に転身した門倉さんならではのサポート力と言えるだろう。

店頭での試食販売。お客さんの気持ちが分かる卸業者として、率先して販促の現場に立つ。
店頭での試食販売。お客さんの気持ちが分かる卸業者として、率先して販促の現場に立つ。
焼きとうもろこし(200円程度)の香ばしい香りが漂う店頭。夏場はイベントへの出店も増える。
焼きとうもろこし(200円程度)の香ばしい香りが漂う店頭。夏場はイベントへの出店も増える。
自社サイトの通販でリピート率の高い「おまかせフルーツギフト」。3,000円〜10,000円。
自社サイトの通販でリピート率の高い「おまかせフルーツギフト」。3,000円〜10,000円。
「おまかせフルーツギフト10,000」の詰め合わせ例。「めちゃめちゃお得です」と門倉さん。
「おまかせフルーツギフト10,000」の詰め合わせ例。「めちゃめちゃお得です」と門倉さん。
夏の「おまかせフルーツギフト3,000」の詰め合わせ例。
夏の「おまかせフルーツギフト3,000」の詰め合わせ例。
秋の「おまかせフルーツギフト3,000」の詰め合わせ例。
秋の「おまかせフルーツギフト3,000」の詰め合わせ例。

※おまかせフルーツギフトは、その時期最もおすすめのフルーツの詰め合わせです。内容は季節によって変わります。

顧客が付くまで3、4年は我慢。でも売るのが面白かった。

顧客がつくまで3、4年は我慢。でも売るのが面白かった。

エム・ケーフルーツが果物や野菜を卸している納品先のひとつに、JA花園農産物直売所がある。海産物を扱わない直売所としては全国トップクラスの売り上げを誇っている。

「関越自動車道で都内から1時間かからないし、インターからも近いので、東京からわざわざ来るお客さんも多いです。『去年買ったこれが欲しい』なんていうお客さんもいます」
「ここのフルーツがおいしいということ、知ってる人は知ってるんですね」
「ええ、でもそういうお客さんが付くようになるのに3、4年、いや5年かかりました。その間ずっと値段をキープして良いものを置き続けるのがね、大変なんです」
「5年ですか。資金力やモチベーションの面でご苦労もあったのでは?」
「まあ、苦労と思ったことはないです。売るのが面白かったから。例えばね、それほど興味なさそうなお客さんに試食を渡すでしょ。仕方なしにもらったって感じなんですけど、口に入れて三歩くらい歩いてから振り返るんですよ。で、買っていきます(笑)」

少し高くても品質を見て買ってくれるお客さんは、10人中2人はコアなお客さんになるという。

「そういうお客さんはリピーターになるだけじゃなくて、同じ層のお客さんを連れてきてくれるんです。ブランド品でなくてもおいしいフルーツはたくさんあります。少しお金を出しておいしいフルーツを買う人がもっと増えてほしい」

良いものをちゃんと評価してくれる成熟した客層を育てることは、日本の農業を守ることにもつながると門倉さんは話す。

フルーツの種類が充実する夏から秋にかけては最も忙しいシーズン。お話を伺っている間も、事務所前のトラックヤードには荷物の積み下ろしの車がひっきりなしに出入りしていた。車を誘導している女性は、ご高齢だがちゃきちゃきとドライバーに応対している。

「おふくろです。最初はバン1台分のスペースしか無かったんだけどね」

エム・ケーフルーツが卸したフルーツが並ぶ農産物直売所。
エム・ケーフルーツが卸したフルーツが並ぶ農産物直売所。
冷蔵すると品質の低下が早い桃は、エアコンで22〜23℃に保った事務所で保管。
冷蔵すると品質の低下が早い桃は、エアコンで22〜23℃に保った事務所で保管。
毎日深夜2時過ぎから稼働し、納品が一段落するのは昼前後。
毎日深夜2時過ぎから稼働し、納品が一段落するのは昼前後。
母親の養子さんが仕切るトラックヤード。
母親の養子さんが仕切るトラックヤード。

プレミアム会員限定PRESENT

梨 1箱
7名様

応募締切
2018年8月31日(金)

賞品

profile

野菜、果実等の卸売業
有限会社エム・ケーフルーツ(埼玉県熊谷市)

加盟店情報を見る
有限会社エム・ケーフルーツ

加盟店情報をもっと見る

ページTOPへ